中川恵一「がんの練習帳」
寒いです鼻中隔です．寒いので，ブログ書いて寝ます．寝るのも体は布団に入っているから良いんだけど，顔は出てるから，鼻とか耳が痛くなるんだよね…．部屋の中で息が白いの．こないだはオリーブオイルが凍ってたの．
3月の引っ越しを見据えて，時々ブックオフへ本を売りに行っているのですが(昔の様にヤフオクしまくる元気がなくなった)，買い取り価格計算中に店内をブラブラして，結局数冊の本を買って帰ってしまうという無駄をしています．
中川恵一「がんの練習帳」も買っちゃったうちの一冊なんですが，これはなかなかよろしかったです．読み終わったやつをメール便で両親に送ります．
医療者になって数年経ちますが，年々非医療者との溝が深まっていく気がします．白い巨塔的な話じゃなくてさ，日常の多くの時間を病院で過ごしてるから，だんだん常識がすり替わっていくんだよね．医療者の常識が，世界の常識みたいな．コラーゲン飲んでも消化されるに決まってんじゃん，ていうのは，世の中では通用しないのね．高いお金払ってコラーゲン飲んでんだから，お肌ぷるぷるになるに決まってんじゃん，が正解．
コラーゲン程度ですんでりゃ良いけど，これが癌を治すキノコ！とか婦人病を治す光！とか心の病を治すお布施！とかになってくると話は別です．これは悪です．そりゃね，数百円，数千円ていう，趣味に費やす程度の額なら良いけどさ．お金を払って安心を買うってのも，判断の一つだし，それで実際(器質的な病気があったかは別として)良くなる人もいるからね．
サプリメントとか，漢方に副作用がないと思い込んでる人はものすごく多いし，「○○という(見るからに怪しい通販の)薬は，何にでも効くんですよ！」って言いながら来院する人は一体何なんだろうと思いますよ．
そういう，藁にもすがりたい人たちから搾取してやろうって連中に引っかかりそうなうちの親！うちの親にまず読ませないといけません！
いくつかの代表的(?)な癌を取り上げて，癌告知されてからの各々の患者が自分の頭でどうしていくか考える，というエピソードが数編収録されております．告知されてからいろんな魔の手が忍び寄ったりしますが，そこは本ですから，うまいことすり抜けて癌と向き合っていくというアレです．
超短くまとめると，「癌は呪いでも因果でもなくて，コピーミスですよ，なったことを悔やむんじゃなくて，どうするかを自分の頭で考えないといけませんよ」と，穏やかな調子で語りかける本です．
GIDの一つの目標である戸籍訂正まで終わった僕が言うので，説得力がありますが(自分で言った！)，周りを頼っちゃいけません．仲の良い友人や恋人は，果てしなく支えになってくれます．しかし，実際手術を受けるのも，裁判所へ行くのも，書類を書くのも，説明をするのもあなたです．自分で考えて行動することを放棄しちゃいけません．あきらめたらそこで試合終了ですよ！
きれいにまとまりましたね．よかったよかった．明日親に送ろう．メール便なら80円．
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