年末に親孝行しようと思った結果がこれだよ

 年末の当直明けに大急ぎで帰省,しろくまさんとその彼女様との忘年会?(後日報告予定),大晦日には回診のために戻るという忙しいビジネスマンのようなことをしました鼻中隔です.

 本当は「どうせ高速混むし実家でやることないし」と,帰省する気は全くなかったのですが,「年末年始1000円割引ナシ!」という国交省の英断に加え,「親孝行したい時には親はなし」という金言が頭をよぎったため,ヘロヘロの体にムチ打ち頑張りました.ついでにビッチな妹の彼氏(T大生)も見てきた.僕の大学生活が特殊だったのかもしれないけど,つまらん男だったな….せめて礼儀くらいはちゃんとしようぜ.

 さて,うちの両親はアラウンド還暦な地方出身者でね,父はニート(に限りなく近い自営業=個人経営塾),母は事務職OLなんですよ.父方はショボイ会社やってて,母方は農業.どっちも割とカツカツでした.あ,祖父母は大体亡くなっています(あんまり良い思い出がないので書き方がきつい).親戚で大卒は親父だけ.いとこ入れたらもうちょっといるかな.お金もなけりゃ学歴もない一族なんです.
 「そんなん関係ないよ」っていう人が多いけど,それはお金か学歴(あるいは両方)のある人.医学部入って「無名高校出身」「経済的に中の下」がどれだけコンプレックスだったか.オマケにGIDっていうね.ついでに社交性もないよ.

 それでも,浪人させてもらったし,高校までの学費分くらいは恩返ししなきゃいかんよな,血のつながった孫の顔は見せられないことだしな,金くらいしか返せないもんな.

 とかね,いろいろ考えながら,スカスカの高速走ってたわけですよ.

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 で,29日の夜中に一緒に酒飲んでたら父が泣き出してさ(最近そんなんばっかだな),

「俺は親父の死に目に会えなかった」
「仲違いしてたことを,あいつ(父の妹)は『もういいって言ってた』と言うけど,俺は聞いていない」
「親父は死んだからもう永遠に解決できないんだ」
「なんで俺はあんなに親父に殴られたんだろう」

とかごちゃごちゃ言い出したんですよ.そんで,

「鼻中隔はもういいよ,ちゃんと医者になってくれたから,もう好きに生きていいんだ」

とのたもうた.

 目の前でさ,若いころ自分にとって絶対だった存在が,崩れ落ちていったのよ.「もう好きに生きていいんだ」って聞くとさ,すげえ良い話に聞こえるじゃない.でも僕は無責任としか受け取れないです.

 あんなに殴ったじゃん.両足掴んで風呂に突っ込んだじゃん.電話番号覚えられなかったら黒電話投げつけてきたじゃん.ほめてくれなかったし,できて当然みたいに言ってたじゃん.GIDのこと話した時なんか「そんなバカなことを言うなら大学へは行かせない」って言ったでしょ.僕がどれだけ親父の目に怯えて生きてきたか!憎んでもいるけど,すごく尊敬してたんだ.幅広い教養とか,正義感とか,破天荒なところとか,勉強熱心なところとか,武道やってて強いところとか.だから,僕の前では絶対に強くなきゃいけないんです.崩れ落ちたりしちゃダメなんです.毅然としてなきゃダメなんです.僕の前で泣きだすなんておかしいよ.

 挙句の果てに「好きに生きろ」だ?ふざけるなよ.勘弁してください.



 最近プライベートで良いことない.疲れた.