AIDのために慶応大学病院へ行ってきました.

 だいぶお久しぶりです鼻中隔は生きていますよ底辺で!

 

 急な話ですが,AIDを予定しています.

 

 gid者が子供を持とうとすると,養子をもらうかAIDかの2択になるのですが(違ったらごめん),当然のことながらgid者本人と直接血のつながった子供なんてのはムリです.養子であれば,妻(または夫)とも血縁がないため,ある意味フェア.私は物心ついたころから「自分の子供はムリ,っていうかなにそれおいしいの」という意識でしたから,子供を持つことに対してあまりしっかりとしたイメージが持てずにいますが,ワイフにとってみれば,結婚して子供ができるのは自然なことなんですよね.いや,まあ,現実的には一定の確率で不妊カップルというのはいるわけなんだけど,そっちの方が少数派ではあります.

 子供を産める体で,その意志のあるワイフに,できることなら出産させてあげたい.そうなると,慶応大学病院産婦人科(以下KO)に頭を下げて外来で半日待ったり数時間かけて通院するという苦行を頑張らなあかんわけです.頑張るよ!!

 

 ということで,先日頑張ってきました.学生時代からお世話になっている私の出身大学の産婦人科に夫婦で色々相談しまして,KO宛ての紹介状も書いていただき,平日なんて行けるわけないので土曜日の予約を取り(マジで3か月先だった),実家に車を置いて,久しぶりの中央線に乗って信濃町駅まで.

 予約の1時間前に受付へ来るように指示されていたため,余裕を持って少し早目に家を出ました.余裕を持って信濃町へ着いてしまったため,駅近くのプロントへ.喫煙者に厳しい東京ですが,まだ喫茶店には喫煙席がちゃんとあるのね.

 久しぶりのお都会の空気を感じつつ時間をつぶし,ちょうど1時間前に病院受付へ.駅から病院は徒歩1分です.建物は中も外も昭和のそれでした.きっと建て替え予定なんだろうけど,外観なんて白い巨塔のリメイク撮るのにちょうど良さそう.

 さすがに受付事務も慣れた感じで,手続きは滞りなく進み,ワイフの診察券作ったり,問診票書いたりであっという間に1時間.ちなみに,産婦人科の問診票には「夫の職業欄」があり,選択肢に「医師,弁護士,代議士…」などとあってさすがKO様は客層が違いますわねと思いました.

 で,産婦人科外来へ.予診を2年目研修医が取ることになっているようで,ネクタイ締めて(!)シュッとした感じの若いドクターと10分ほど会話.ここでさっきの「夫の職業欄」が効いてくるわけですよ.

 

研修医「!だんな様はドクターなのですね.」

鼻中隔「はァ」

研修医「…当院ですか?」

鼻中隔「いえいえ(そんなめっそうもないこんな大都会のコンクリートジャングルにわたくしめが生きていけませんど田舎から受診のためにノコノコ出てきたのですよ(心の声))」

研修医「そうですか.私は2年目初期研修医の何某と申します.よろしくお願いします.」

 

 という感じですよ.あのねえ,俺がKOの医者に見える?その辺歩いてるスタッフ見てたらみんなこぎれいでシュッとしてやがるんだもの.ネクタイ率高えし(汚えものぶらさげやがって).当直明けのヒゲ伸びた汚い外科医とか全然いないもんな.きっとそういうのは目につかないようにかくしてるんだな!

 予診後はひたすら待合で待つんですが,なんか怖そうな外来ナースがつつっとやってきて囁くんです.

 

外来Ns「待っている間に,旦那さんの診察券も作ってくることもできますが,どうしますか?後でもできますが,時間の節約になると思うので,お話ししています」

 

 なんか怖いよ(顔も).どうせ作ることになるんだったら,最初の受付で2人分作れば良かったんじゃあ…と思いますが,こういうのは病院の常套手段ですからね,皆さん.「待合でただ待っているだけ」よりは,小出しでも何かしら検査とか手続きとかやってる時間が挟まった方が,「長時間無意味に待たされた感」は減じるんです.そういうものなんです.

 怖いNsに抗うのは賢くないので,素直に再度受付へ.無事私の診察券もできたので,さっきの待合で待ちます.頑張って待ちます.

 …思ったよりは早く呼ばれました.AID担当のドクターは,医者に結構多い「視線の合わないタイプ」でした.別に不快なわけでもないし,説明は普通にしてくれたし,嫌な感じの発言もなかったので拍子抜けしました(というのは,以前堀田あきお不妊治療、やめました。』という漫画を読んで,だいぶアレな感じのKOドクターが出てきたのでビビっていたのです.AIDじゃないから担当者が違うのかもしれない).

 要点のまとまった説明用紙を渡され,それに沿って順番に説明されました.渡された資料を以下にまとめます.

 

●AID登録について

必要なもの:

(1)諸検査結果;a.血液型 b.感染症検査(妻) c.黄体機能検査 d.卵管疎通性検査

*aのみKOで施行(自費.1人約1万円).他は他院のもので可.

(2)戸籍謄本(3か月以内,1通);婚姻関係の証明.

(3)AIDカウンセリング;夫婦一緒に2回.30分程度.6千円.

●AID費用:自費診療である.AID1回につき3万円.

●妊娠した場合は結果報告を郵送ですること(産婦人科学会への報告義務).

 

  意外と面倒はなさそうですね.あと安い.他人の精子を子宮に入れるだけだから当然っちゃあ当然ですが.検査はこれ全部本当に自費でやったらエライことになりますよ.国民皆保険の有難さが身に沁みますよ.血型だけ当院,ていうのは,間違いがあっちゃいかんということだと思う.精子の血型は父親に合わせるということですので.

 あと2回KO様へ跪きに行ったらAID開始です.カウンセリングも土曜の枠を希望の場合は3か月待ちのようです.平日に休みが取れる方は絶対に平日受診が良いです.早いです.時間はお金で買えません.

 

 以上,AID初回外来レポートでした.最終的に,「1時間前の来院」も入れた待ち時間は4時間程度でした(うち予診,説明時間が30分程度).思ったよりは待たなかった気がしますがそんなことはありませんね.本当に病院は嫌いです.お会計は殆ど血液型検査の1万円x2人分程度でした.

 経験者の方がいらっしゃれば,アドバイスなどお願いします.あと病院の近くにオススメの喫茶店があれば教えてください.